家の建て方 経験3-1
「システムキッチンが・・・」
システムキッチンが出入り枠から
はみ出してしまいました。
もちろん、設計図面上は、
はみ出ていなかったのです。
入り口の枠に並び、システムキッチン
幅225cmが取り付く予定でした。
設計者である私は、入り口の枠幅が65cm
必要な根拠として次の3つを説明しました。
1. 人の出入りがスムーズ
2. 入居時の冷蔵庫の搬入がスムーズ
3. LD側から見た意匠の問題
建主と十分検討した結果
設計図は存在しています。
システムキッチン発注時期のことです。
建主が
「もう一度ショールームで再確認したい」
3度目のショールームです。
家は、完成に近づいて建主の夢は
膨らむばかりだと思います。
奥様は、ウキウキしている様子です。
こんな建主を見ていると
私も幸せになります。
建主は、大きめの幅240cmの
システムキッチンを見始めました。
少し大きくなるだけで使いやすさと
豪華さは増します。
ショールームの華やかな
雰囲気も手伝って、うっとりと
酔っている様子でした。
「これは、あぶない」と思ったその時です。
「ショールーム酔い症候群」
建主は、幅広のシステムキッチンを
希望したのです。
出入口から15cmはみ出してしまいます。
私は、前述の3つの説明を繰り返ししました。
建主: 『私はどうしてもこっちにしたいの!』
「ショールーム酔い症候群」に
掛かってしまったようです。
建主は、夢と希望で胸いっぱいです。
ショールームの豪華絢爛な陳列にうっとり
として飲み込まれてしまう事があります。
その結果、周りの忠告や意見を
聞き入れずにとんでもない買い物を
してしまいます。
これを私は「ショールーム酔い症候群」
と呼んでいます。
私の説得は振り切られ、発注です。
システムキッチンが取付いた
時のことです。
出入口から15cmはみ出した
システムキッチンを見た建主は
不満そうな顔で・・・?・・
参考
建主は、工事が進むにつれて具体的な形を
見ると気が変わり、変更する事があります。
しかし契約上、問題が発生します。
このケースでは
配管工事が設計図に基づいて
施工されていて、キッチンと配管の
変更に伴う増額や工事の遅れが
発生します。この問題を解決しなければ
なりません。
「はみだしたシステムキッチン」
「こんなのいや
はみ出して格好が悪いわ」
この時、建主はショールーム酔い症候群から
醒めたのです。。。
現場はこのまま進行し、家は竣工しました。
数年が経ち、訪た時のことです。
「実家が、建て替計画をしている。
紹介するから宜しくお願いします」
言葉だけでも、嬉しい一言でした。
最終的には
少し問題が残るキッチンになりました。
しかし、設計監理者として
はっきり説明、説得をしたことを
建主が認めてくれていたと思います。
この事例は建主の気持を
否定するものではありません。
長年の夢が叶うのです。
夢の上にまた夢を持つことは
仕方がないことです。
気持ちは十分わかります。
その上で私の伝えたい事は
建主は専門家の意見を
受け入れる用意と冷静さが
必要だということです。
私は昨年、軽ワゴン車を買う予定でしたが
普通ワゴン車を買ってしまった。
重症の「ショールーム酔い症候群」に
掛かってしまったのです。
家族からは、×です。
このような事例を私は、多く見てきました。
次回は、別件のショールーム酔い症候群を
一部紹介します。
家の建て方 経験3-2
「大きな鏡」
工事中に建主は、ショールームで見た
高価で少しし大きめの鏡を追加したのです。
取付け場所はトイレです。
設計では、小さめの鏡だったのですが。
取付いたトイレのドアーを開けた瞬間
ギョッ。
住宅のトイレには、大きすぎた鏡でした。
建主自ら小さな鏡に、また変更。
そして、大きな鏡は納戸の・・・。
鏡のデザインに引かれてしまい
よく考えずに、追加依頼したといいます。
「ショールーム酔い症候群」でしょうか。
建主は
工事が進むにつれて
「せっかくだから」の思いが強くなるようです。
この気持ちが、ショールームに足を運ばせて
しまうのでしょう。
そして、ショールームの華やかな陳列に
うっとりしてしまい、思わぬ買い物をしてし
まいます。
私自身の経験です。
自分では使いこなせないビデオデッキを
買ってしまい、家族からは×××でした。
私も注意と用心が必要です。
「取付かないキャビネット」
ショールームで見た
埋め込み型キャビネットをトイレの
壁に取り付けるというのです。
この壁は
仕上げ工事をすれば終了の状態で
中には配管もあります。
埋め込み型なので、壁を壊し配管を
やり直すことになります。
時間と費用が多く掛かるのです。
建主は、この事を知らずに業者に注文しました。
業者は、取付けの可否を確認しないで発注したのです。
設計者への相談はありませんでした。
建主の話では、便利さにうっとりしてしまい
設計者に相談することも
忘れてしまったといいます。
「ショールーム酔い症候群」です。
結局、他の場所に取り付けました。
仕方がないと思いますが、私に相談があれば
買わずに済んだかもしれません。
でも、気持ちはよく分かります。
私も、置く場所を考えずに必要のないキャンプ道具を
買ってしまい家族からはまた×××です。
経験3 おわり
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